2016年 2月 の投稿一覧

アラヤ ラレークラブモデル・TAクランク改をお譲り頂きました。

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弊店のお隣の街、埼玉県熊谷市からのお持ち込みで、ラレーのクラブモデル(改)をお売り頂きました。どうも有難うございました。

ラレーはご存知イギリスのメーカーで、アラヤがライセンス生産をしているものです。
「クラブモデル」とは、イギリスの車種体系で、サイクリングクラブ員たちのモデル、つまり泥除けを外せばそのままロードレーサーにもなる自転車です。平地の多い英国では、かつてはダブルコグ(車輪をひっくり返すと固定/フリーになる)だったり、スターメーアーチャーのような内装変速機が主流で、山の多いフランスと違い外装変速機が発達しませんでした。
日本も昔は英国風のロードスタータイプ、日本でいえば実用車のようなタイプの自転車でサイクリングに行っていたものです。
それがルネ・エルスに代表されるフランスの車種体系が入ってきて、日本は一気にフランス流の自転車に傾いていった訳です。
そうはいっても、英国自転車については、日本では小池 一介氏(『華麗なる双輪主義 スタイルのある自転車生活』の著者)に代表されるように非常にマニアックな方が多いジャンルではあります。
小職も、ベレー帽を被って正装してロードスターに乗っている方を存じあげておりますが、それはそれはジェントルマン!という感じで、とても素敵なお姿でした。

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遊びココロで色々と改造をされていらっしゃいまして、ハンドルを日東のフラットタイプに変更されている点と、ギアクランクをフランスのTA・クリテリウム52×48Tに換装されております。
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サドルはGILLES BERTHOUD /ジルベルソー(ギルベルソー)。ソローニュのバッグで有名ですね。
フランス本国ではパーツ以外でも完成車も販売しています。ジルベルソーのサイトはこちらです。

このように日・英・仏と、日本のサイクリングの歴史を1台で表現するような、楽しい自転車となっておりました。
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三月銀輪館では、このようにカスタマイズされたロードバイクも買取させて頂きます。
店頭買取はもちろん、出張買取もお受けしておりますので、詳しくは、三月銀輪館のサイトまたはフリーダイヤル:0120-68-3196(10-20時)まで、お気軽にご相談下さい。

雑誌で紐解く スポーツサイクル アルプス その1

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「ツーリングはアルプスの世界です」のキャッチコピーでお馴染み、かつて東京は神田あったツーリング専門店「スポーツサイクル・アルプス(アルプス自転車工業)」。
筆者がアルプスのクライマー号をオーダーしたのは2001年頃です。この相棒でずいぶんと色々な峠に行きました。

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(雑誌『サイクルスポーツ』1988年3月号の広告より。MTBブーム前とあって、あの「MTBでツーリングですか」の刺激的なフレーズはまだ登場していない。)

そのアルプスがお店を閉じたのは2007年1月でした。来年(2017年)でもう10年になろうとしています。
アルプスといえば、雑誌『ニューサイクリング』の記事でお馴染み、2代目店主の萩原慎一氏や、フロントフォーク抜き輪行を思い浮かべる方は、もうベテランの方ですね。
もともとは大正7年に自転車製造卸「萩原卓商店」として創業した老舗の自転車店であり、昭和21年には慎一氏がスポーツ車専門店として展開。「フロントフォーク抜き輪行」を考案し、ランドナー「クイックエース」を発売します。このフロントフォーク抜き輪行がアルプスの代名詞となりました。

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(これが電車でコンパクトに運べる様に分解された輪行スタイル。ポンプの位置からクイックエースと思われる。アルプスのカタログより。)

そして息子さんの浩氏が3代目として後を継ぎ、パスハンター「クライマー」シリーズの発表となる訳です。
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(上:”スーパークライマー”、下:”ロードキング” 共に筆者所有)
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今回は、その3代目店主であり、最後の店主となった、萩原浩氏にスポットをあてて、各雑誌に氏が寄稿した文章や、ALPS号が紹介された写真などを中心に、一人のアルプスファンとして、その記憶を振り返りたいと思います。

アルプスは御存知の通りフレームビルダーではありません。フレーム製作は提携のビルダーに依頼し、設計通り上がってきたフレームを仕上げて製品にするスペシャルショップでした。

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(閉店後、早速に雑誌で特集された。2007年5月発行の雑誌『自転車人/第7号』巻頭特集。アルプスの自転車は今でもオークション等では高値取引されている。)

ここで子供向け書籍の奥付に記された浩氏の公表プロフィールをご紹介しましょう。
<昭和22年東京・神田に生まれる。開成高校を卒業後、写真専門学校、広告代理店オリオン社を経てアルプス自転車工業(株)に入社、現在に至る。いろいろなコースを走りまわりツーリングに適した「乗りやすい自転車」を考え続けて奮闘中。>
広告代理店でのカメラマンの経験から、カタログの完成車は全て氏が撮影したものでした。

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(『なんでもプレイ百科 スーパーサイクル決定版』双葉社/昭和53年)

それでは早速「雑誌」を紐解いていきましょう。

<続く>

土日は留守番電話にてご対応致します。

いつもご依頼を有難うございます。
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ご迷惑をお掛けいたしますが、どうぞよろしくお願い致します。

CASATI(カザーティ)ロードバイクをお売り頂きました。

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店頭持ち込みで買い取りさせて頂きました1台。
イタリアのモンツァに構えるカザーティは創業が1920年。砂田弓弦氏の94年出版の本では年間生産台数が1400~1500台。MTBは1割で残りの9割がロードレーサー、製品7割が海外向け。一方、同じく99年のサイスポでは1500~1700台、100%ロードレーサー、家族を中心に従業員8名体制の記述があります(後注)。その紙面から砂田氏の記述を少し引用しますと、「ワイシャツ姿で溶接する2代目」のキャプションと共に-
<材質はスチールとアルミが半々で、イタリア向けはスチールが多く、海外向けはアルミが多いという構成だ。パイプはコロンバスとデチャダイを使用している。「スチールとアルミについては一長一短だね。スチールは若干重いけど、耐久性がある。アルミは軽いけど耐久性に欠ける。でもオレ(=当時の2代目店主、ジャンニ・カザーティ、現在は3代目)はアルミのあの太い感じが好きなんだ。某社のようにあまり行き過ぎては行けないけどね」とやっぱり見た目を大事にする。><(アルファロメオ)”156でオネーチャンもイチコロよ”的雰囲気が、このカザーティにもあると思う(中略)とにかく掛け値なしに美しい。>
(注」『イタリアの自転車工房 栄光のストーリー』アテネ書房1994年/『サイクルスポーツ』1999年7月号)
※もちろん、当時の状況のため、現在ではアルミよりもカーボンモデルを製作しております。ご参考:カザーティのサイトはこちら。4

ステーのフタの部分や、シートピラーの刻印。
日本での代理店は一時、岩井商会等が扱っておりましたが、現在はアクションスポーツさんが窓口となっております。デローザ、コルナゴ、チネリ・・・に比べると日本では少々マニアックなブランドといっても良いかもしれませんね。2 フレームはコロンバス。フロントーフォークの肩や、Wレバーの先、ステム横の刻印がオシャレなカザーティらしく素敵です。ダウンチューブに<made in Italy>のマーク有り。現在まで一貫してイタリア国内生産を貫いています。
ちなみに、バーテープに注目!キャットアイのシャイニィです。恐らくデッドストック品を巻かれたのでしょう。
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<真珠の輝きを思わせる鮮やかな色彩で、高級スポーツ車にはベストな組み合わせです。みずみずしい肌ざわりは巻きやすく、雨や汗、汚れにも変化しません>サイクルスポーツ1982年10月号の広告より。
当時はキャットアイはまだブランド名、「株式会社津山金属製作所」が社名でした。3カンパでまとめた1台。フリーは6S、リアメカは恐らくビクトリーコルサと思われます。総合的に判断して、1980年代のロードレーサーと思われますが、如何でしょうか。
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