2015年 10月 の投稿一覧

南高尾山稜へ(サイクリングの記憶)

今回のサイクルツーリングの記憶は、冬のハイキングコースへのんびりお邪魔した時の記憶です。


【 年月  】 2003年2月
【 ルート 】 高尾山口駅-大垂水峠-関東ふれあいの道(大洞山~中沢峠~西山峠~三沢峠)-城山湖周辺-県道-高尾駅
【 車 種 】 ランドナー
【 参 考 】 「東京近郊サイクリングコースガイド50 東京西部編」(山と渓谷社 1996年)


7時半過ぎに京王線の高尾山口駅を出発。道路に設置してあった温度計の数字はマイナス2度。体が暖まるまではとにかく我慢だ。
ひとしきり登って大垂水峠(標高389m)に到着、歩道橋の端から山道に入る(写真)。

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大洞山までは狭い道を進み、やがて階段の上りだ。路面は霜が降りて滑りやすいため、無理せずにゆっくりと押しと担ぎで進む。この頃になると、すっかり体も暖まり、額から噴出した汗が眼鏡に滴り落ちる。

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大洞山(標高536m)には9時前に到着,汗を拭って水筒の水をガブ飲みして一休み。
この先、三沢峠まで何箇所か分岐があるが、前掲のガイドブックの記述に従って「梅ノ木平」方面へ。
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514.7mのピークを越え、分岐点(写真左)では、ガイドブックどおり、右手の「まきみち」標識方向(マジック書きで「近道」の文字あり)へ迂回して中沢峠へ。
巻き道は狭く路肩も緩いので、一歩一歩慎重に歩く。
じきに中沢峠に到着(写真右)。観音菩薩像のある中沢山にも寄り道してみる。 1IMG_0022
中沢峠から西山峠へ至る間に、南側が開けた「見晴台」という場所がある。眼下には箱庭のような津久井湖、右上にはくっきりと富士山の姿。ここは絶好のランチポイントだ。

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但し広場にはなっておらず、道の脇にベンチが置いてあるだけの状態なので、時間帯によってはハイカーの方々で混雑しそうだ。今回はまだ時間も早いので、休憩のみとして先に進む。
なお、この日は確認せずに通り過ぎてしまったが、中沢峠と西山峠の間に淺川峠という峠があるそうだ(※1)。
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西山峠まで来ると、反対側から来られるハイカーさんの方々とお会いする機会が増える。ハイキングコースに自転車を持ち込む身としては、やはりハイカーさんの少ない早い時間から山に入って正解だ。
ちなみに峠名の由来は、三井の集落から見て西にある山並みの総称=西山を越えることから命名された。三井から甲州街道へ抜ける交易の道、高尾山への参拝の道として栄えたようだ(※2)。
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最後の峠は、広場状の三沢峠(追分峠の呼称もあり※1)。
まだお昼前だが、最後の休憩ポイントと思い、早めのお昼とする。ハイカーさんも次々と登られて行く。
この分岐点は、右は「峯の薬師」方面、直進は「城山湖」、左は「梅ノ木平」となり、今回は城山湖方面へ。城山湖付近をのんびり探索したあと、高尾駅から13時半過ぎの電車で帰路についた。
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(参考文献)
(※1)「新多摩の低山 ようこそ65の山へ」(守屋龍男著 けやき出版 1999年)
(※2)「かながわの峠」(植木知司著 かながわ文庫 1999年)


移動距離がある場合、自転車があると便利ですね。今も様子は当時と変わらないのかな・・・。

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山梨・松姫峠から雛鶴峠、牧馬峠へ(サイクリングの記憶)

今回のサイクルツーリングの記憶は、山梨県へお邪魔です。今から12年前ですね・・・。


【 年月日 】 2003年6月
【 ルート 】 JR奥多摩駅前-松姫峠-大月駅前-禾生駅前-旧雛鶴隧道(撤退)-新雛鶴隧道-牧馬峠-JR橋本駅前
【 車 種 】 ランドナー
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梅雨入り前の休日、久しく足を運んでいなかった奥多摩方面を走ることにした。
夜中に自宅を出て、ハイカーで混む奥多摩駅前には9:30に到着。更に奥多摩湖に沿って進み、深山(みやま)橋へ。
やがて松姫峠への峠道に入ると、ロード練習の有名な場所なのだろうか、何人ものロード乗りに出会う。皆さんは時にはダンシングをしながらグイグイ登られる。うーん、さすが健脚だなぁ・・・。

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峠道での様子から、峠ではさぞかし賑やかだろうなと想像していたら、ワゴン車をデポしたロード練習の皆さんがお休み中。その手前にはこれまた大型バイクの皆さんが盛り上がっている。使われなくなって廃道の運命を辿る峠道が多い中、このように人で賑わっている峠は幸せでしょう。
ちなみに、この松姫峠には、むかし武田信玄の娘「松姫」が織田の軍勢から逃れる為に越えたという伝承があるそうだ。
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峠から下ってすぐに展望が開け、ここは見所だろう。山肌を縫うような道を眼下に見ることが出来る。
大月まで標高差約900m、距離にして約20km超のダウンヒルの始まりだ。対抗車も通るのでスピードはセーブするが、結構な速度は出ただろう。ブレーキを握る手も疲れるので、休憩しながら落ちていく。
途中、上和田の集落だったか、下から小さな男の子が自転車で登ってきて「こんにちは!」と礼儀正しく挨拶を頂く。この坂を登るなんて大変だなーと思っていたら、坂の途中に小学校があった。さぞかし健脚になるだろうなぁ。毎日毎日、大変だろうけど・・・。

その後、多少の登り返しもあるが、無事に国道20号に合流して、大月駅前の食堂で遅い昼食にする。ちょうどボトルも空もなったので、水道の水を補給しようと店員さんにお願いしたら、わざわざ店内の新しい冷水で入れて下さる。それだけでも恐縮しているのに「しばらく涼んでいてもいいですよ」との有難いお言葉。疲れた身体には最良のビタミン剤だ。本当に感謝感激。
しかし時間も迫っておりそうも行かず、改めて店員さんにお礼を述べて、次の目的地、雛鶴峠(別名、大ダミ峠※1)を目指す。

大月駅前から富士急行の線路に並行して進み、禾生駅前を15時前に通過する。予定より随分と遅れ気味のため急いでペダルを回すものの、疲れも溜まっており、気ばかり急いで一向に足が回らない。
リニアモーターカーの実験基地を通り過ぎ、旧道へ15時半過ぎに入る。路面にひび割れや穴ぼこがあり、小枝や松ぼっくりが散乱した峠道だ。その代わり誰にも会わず、ようやく独り静かに峠道を味わうことが出来る。雛鶴峠の旧隧道は16時前に到着。1IMG_0011
そして隧道を抜けようとすると、何とご覧の通りの頑丈な鉄柵で入り口を塞がれて通行不能だ。自転車のライトを当てて中を覗くも、真っ暗でよく見えない。更にボコボコと水の滴る大きな音が聞こえ、何とも薄気味悪い。
しばしの休憩のあと、再びサドルに跨って今登って来た道を引き返す。昭和61年に完成した新しい隧道で反対側に抜ける。
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その隧道を抜けて右手に、雛鶴姫伝承の主人公の雛鶴姫と護良親王を祀る雛鶴神社があるが、今回は先を急ぐためパス。今度ゆっくり来よう。
ちなみに、この辺りの集落は「無生野」(むしょうの)と呼ぶが、元々は「無情野」であったとのこと。つまり、産気づいた雛鶴姫に対して後難を恐れた住民が誰一人宿を貸さなかったことに由来するそうだ(※2)。真偽の程はともかく悲しい伝承だ。

さて、いよいよ最後の峠、牧馬(まきめ)峠を目指す。何度かアップダウンを繰り返して峠道に入ると、その勾配は12%。
さすがに足は売切れで必死に押して歩くと、後ろから来たワゴン車の助手席から「頑張ってー」の声が掛かる。車の屋根にロードが積んであったので、どこかのクラブだろうか。こちらは「あっ、すみません」と答えるのが精一杯だが、とにかく本当に嬉しい。お陰さまで元気を取り戻して、何とか18時丁度に峠に到着する。
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峠には「神奈川県指定天然記念物 ギフチョウとその生息地」である旨の説明板がある。その密猟対策か、フェンスで仕切られており殺風景な感じだ。車の往来も多く、そろそろ日も暮れ始めるため、すぐに下り始める。

これで本日の峠はすべて終了。無理をして峠を結んだ結果、ずいぶん慌しいサイクリングになってしまった。

先の雛鶴姫が、護良親王の御首を抱いて、牧馬峠を越えて逆に雛鶴峠へ向かったということは、帰宅後にはじめて知った(※3)。
(参考文献)
(※1)「甲斐の山山」(小林経雄著 新ハイキング社 1992年)
(※2)「角川日本地名大辞典 山梨県」
(※3)「かながわの峠」(植木知司著 神奈川新聞社 1999年)


※かなり慌しいサイクリングになってしまいましたね。タイトなスケジュールを組みすぎてしまいました(泣)。


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静岡県/戸田峠から真城峠へ(サイクリングの記憶)

前回の「サイクルツーリングの記憶」は<東京・藤原峠と横沢入>でした。
今回は関東地方を飛び越えて、静岡県の記録です。


【年 月】 2003年4月
【ルート】 JR函南駅-狩野川沿い-修善寺-戸田峠-真城峠-戸田港-r17-R414-JR沼津駅
【走行距離】 約87キロ
【車 種】 ランドナー

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JR函南駅を8時に出発。
交通量の激しい国道からは早々に退散し、狩野川の土手へとハンドルを向ける。
狩野川の川沿いには、菜の花やタンポポが咲いており、1月に訪れた時とは違って、すっかり春めいている。
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修善寺で狩野川とは別れ、温泉街へ進む。
その温泉街とも別れ、そのまま北又の集落へ。
北又川沢沿いの、車もほとんど通らない一本道を登る。
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道はその後九十九折れになり、林道のような雰囲気だ。
ウグイスの鳴き声を聞きながらノンビリ登ると、2車線に幅が広がった車道に合流。
こちらが本線と思われる。ここで「だるま山高原レストランまで2.7km」の表示がある。

合流してからは単調な道が続く。戸田(へだ)峠までは、まだまだ登りだ。病み上がりの身には相当こたえた。
その後、左手に達磨山林道の入口、そしてキャンプ場を通り過ぎると、やっと高原レストランについた。多くの休憩客で賑うレストランの裏手からは、写真の通り、駿河湾越しの富士山を見ることが出来る。
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レストランからひと上りして、ようやく戸田峠(標高720m)に到着。
展望はきかないせいか、広い駐車スペースがあるも、どの車も止まることなく、どんどん通り過ぎて行く。
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さて峠からは待望のダウンヒルの始まりだ。
下る途中に瞽女(ごぜ)展望地があり、これから下る道や戸田港などが一望出来る。観音様も祀っており、”瞽女さん”つまり盲目の旅芸人が、この峠道で大雪のため凍え死んだそうだ。そして村人が安全祈願のため観音様を祀ったとのことだ。(現地の説明版より)
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地で少々休憩した後、下界を目指して車の少ない車道を快適に飛ばす。しばし下りを堪能した後、戸田港との分岐点から分かれて、もうひとのぼり。真城峠(標高491.8m)へ。

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峠からは戸田港方面へ進路を向ける。車はほとんど通らないのだろう、戸田峠から戸田港へ向かうために、わざわざ真城峠を経由する必要もないだろうから。

道に散乱する落石に注意しながら、独り占めにした道を慎重に下っていく。
突然、目の前にポッカリ富士山が現れた。予期していなかっただけに、アッと驚く。まるでこの道がそのまま富士山に続いているようだ。サドルから降りて、しばらくその姿を堪能。

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木漏れ日を浴びて、緑色の光線の中を走っているようだ。
下るにつれて、散った桜の花びらが道の上を絨毯のように続いている。

戸田港からは海岸線の県道17号を走る。景色は良いが、井田(いた)に向かうまでの標高差約150mの登り返しが2度もあるのが何とも辛い。
やっとこさ最高点の井田トンネルを抜け、あとは平坦な道を走るだけだ。
海越しに富士山を見ながら沼津へと向かう。国道414号に合流してからは、交通量も非常に多く路肩も狭いので、路面とのニラメッコ。その後、沼津駅には15時半過ぎに到着。

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菜の花と富士山が印象的な、伊豆のサイクリングの思い出でした。
ではまた、次回!
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