店頭持ち込みで買い取りさせて頂きました1台。
イタリアのモンツァに構えるカザーティは創業が1920年。砂田弓弦氏の94年出版の本では年間生産台数が1400~1500台。MTBは1割で残りの9割がロードレーサー、製品7割が海外向け。一方、同じく99年のサイスポでは1500~1700台、100%ロードレーサー、家族を中心に従業員8名体制の記述があります(後注)。その紙面から砂田氏の記述を少し引用しますと、「ワイシャツ姿で溶接する2代目」のキャプションと共に-
<材質はスチールとアルミが半々で、イタリア向けはスチールが多く、海外向けはアルミが多いという構成だ。パイプはコロンバスとデチャダイを使用している。「スチールとアルミについては一長一短だね。スチールは若干重いけど、耐久性がある。アルミは軽いけど耐久性に欠ける。でもオレ(=当時の2代目店主、ジャンニ・カザーティ、現在は3代目)はアルミのあの太い感じが好きなんだ。某社のようにあまり行き過ぎては行けないけどね」とやっぱり見た目を大事にする。><(アルファロメオ)”156でオネーチャンもイチコロよ”的雰囲気が、このカザーティにもあると思う(中略)とにかく掛け値なしに美しい。>
(注」『イタリアの自転車工房 栄光のストーリー』アテネ書房1994年/『サイクルスポーツ』1999年7月号)
※もちろん、当時の状況のため、現在ではアルミよりもカーボンモデルを製作しております。ご参考:カザーティのサイトはこちら。
ステーのフタの部分や、シートピラーの刻印。
日本での代理店は一時、岩井商会等が扱っておりましたが、現在はアクションスポーツさんが窓口となっております。デローザ、コルナゴ、チネリ・・・に比べると日本では少々マニアックなブランドといっても良いかもしれませんね。 フレームはコロンバス。フロントーフォークの肩や、Wレバーの先、ステム横の刻印がオシャレなカザーティらしく素敵です。ダウンチューブに<made in Italy>のマーク有り。現在まで一貫してイタリア国内生産を貫いています。
ちなみに、バーテープに注目!キャットアイのシャイニィです。恐らくデッドストック品を巻かれたのでしょう。
<真珠の輝きを思わせる鮮やかな色彩で、高級スポーツ車にはベストな組み合わせです。みずみずしい肌ざわりは巻きやすく、雨や汗、汚れにも変化しません>サイクルスポーツ1982年10月号の広告より。
当時はキャットアイはまだブランド名、「株式会社津山金属製作所」が社名でした。カンパでまとめた1台。フリーは6S、リアメカは恐らくビクトリーコルサと思われます。総合的に判断して、1980年代のロードレーサーと思われますが、如何でしょうか。
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